乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果で慢性炎症・うつ・アトピー改善

ストレス対策には乳酸菌・腸内細菌が効果的です。またキラーストレス対策は慢性炎症・うつ・アトピー性皮膚炎を改善するために大切です。

アトピー性皮膚炎とストレス、副腎疲労症候群、慢性炎症の関係とは?

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回は「アトピー性皮膚炎とストレス、副腎疲労症候群、慢性炎症の関係」について書いていきたいと思います。

 

副腎疲労症候群と慢性炎症は、アトピー性皮膚炎と深く関係しているように思われます。

アトピー性皮膚炎の発症には、心理ストレスが大きく影響しているとよく言われていますが、ストレスを感じてばかりいると、炎症を抑える働きがあるコルチゾールを分泌する副腎を疲労させてしまう原因になります。

もし副腎が疲労してしまうと、ステロイドホルモンであるコルチゾールが分泌されなくなるため、体内では慢性的な炎症が起きてしまうと考えられます。ちなみにアトピーの治療で用いられる「ステロイド剤」は、副腎でつくられるコルチゾールの不足を補うために用いられます。

またコルチゾールが減って体内に炎症が起こるようになると、イライラや不安感など、うつ病のような症状があらわれてくるとされていますが、このことは「副腎疲労症候群」と呼ばれており、高度情報化によってもたらされたストレス社会の新病ともいわれています。

 

 副腎(アドレナル)は「ストレスの腺」と称されていて、私たちの心身に降りかかるストレス、そのすべてに対してあまねく反応しています。

 そんな副腎の機能が低下すればするほど、心身の疲労が強まり、慢性疲労が色濃く現れるのです。そして、重篤な副腎疲労になると、いよいよベッドから出られなくなったり、イライラや不安感がつのる、気がふさぐなど、うつ病にきわめてよく似た症状を呈するのです。

 副腎の疲労度は、ストレスの大きさによって左右されます。たとえば、愛する人の死や、深刻な病気やケガ、暴力、いじめなど、こうした不幸な出来事は、副腎に非常に大きなダメージを与えます。

 それだけではなく、仕事への不満、プレッシャー、職場の人間関係、長時間労働、家族との口論、育児、介護、睡眠不足、運動不足など、日常に潜むストレスの数々も、多かれ少なかれ副腎に負担をかけます。

 つまり、こうしたストレスの積み重ねが副腎に疲労を蓄積させて、これといった原因のわからないだるさや疲れ、さらには心身のさまざまな不調を呼び込んでしまうのです。

(『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい 9割の医者が知らないストレス社会の新病』本間良子 監修 本間龍介 著 p3~4)

 

 コルチゾールには細胞をストレスから守り、元気にする働きがあります。免疫機能や血圧、血糖値の調整、水分やエネルギーの代謝に、塩分のコントロール、脂肪の分解、アレルギー症状を抑える抗炎症作用など非常に多くの役割を担っているため、コルチゾールの分泌量に異常が生じると、身体のありとあらゆる部分に不調をきたすのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p34~35

 

副腎疲労症候群

アトピーを改善するには心理ストレスを減らすことが大切

アトピー性皮膚炎の発症に関しては、様々なことが挙げられていますが、心理ストレスが原因で副腎疲労や慢性炎症が起こってしまうことも、問題のひとつであるように思います。また、アトピーになると、気分が塞ぎこみがちになってしまいますが、うつに似た症状とアトピーが連動しているのも、その背景には副腎疲労と慢性炎症があると考えられます。

そのため、アトピー性皮膚炎を改善していくために大切なことは、なるべく心理ストレスを減らすことで副腎が疲れないようにすることだと思われます。

具体的には有酸素運動やヨガといった運動を適度に行ったり、深い呼吸やマインドフルネス瞑想を行ったりすることで、なるべくリラックスし、自律神経のうちの副交感神経を優位にすることです。

特にマインドフルネス瞑想に関しては、NHKの体を蝕む「キラーストレス」の特集番組で、マインドフルネス瞑想を行うと、RIPK2という遺伝子の働きが抑制され、ストレスホルモンの「コルチゾールの値」が正常に回復するという研究結果が紹介されていました。

そのほか、人間関係や電磁波など、ストレスを感じる環境にいることが多い方は、こまめに森林浴を行うことも、アトピーを治していくためには有効です。

 

森林浴を行うこともアトピーを治していくためには大切

こまめに森林浴を行うこともアトピーを治していくためには大切です。

 

アトピー性皮膚炎の改善のために重要な腸内環境

さらに根本的にアトピーを治していくためには、腸内環境を整えることで、血液をキレイにし、細胞をきれいにすることが重要です。血液の汚れは、腸内環境の乱れから起こってくるため、まず腸内環境を整えることが大切になってくるのです。

腸内環境は、砂糖や食品添加物、肉類などに含まれる動物性のタンパク質によって汚れやすくなります。また、心理的ストレスを必要以上に感じることも、やはり腸内細菌の悪玉菌が増殖する原因になります。

そして腸内細菌のバランスの乱れたり、腸内環境が悪化したりしてしまうと、血液中に未消化のタンパク質や細菌など、異物が入りこみやすくなり、結果的に血液を汚してしまいます。

そのため、アトピーを改善していくためには、日頃からストレス対策を行うことと普段の食生活を変えることで、腸内環境を整えることが大変重要なのです。

 

 

腸の汚れ

 ↓

血液の汚れ

 ↓

細胞の汚れが皮膚に現れる

 

 

慢性的なストレス

 ↓

腸内細菌のバランスの乱れ

 ↓

細菌などの異物の侵入

 ↓

体内の慢性炎症

 ↓

副腎のコルチゾールの分泌量の増加

 ↓

副腎疲労症候群

 

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うつと副腎疲労、慢性炎症の関係とは?

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回は「うつと副腎疲労、慢性炎症の関係」について書いていきたいと思います。

 

前回の記事では長期的なストレスによって起こる「副腎疲労症候群」と「慢性炎症」の関係について述べましたが、「副腎疲労症候群」と「慢性炎症」は、「うつ」の症状とも深く関わってきます。

特に「副腎疲労症候群」になると、イライラや不安感が募ったり、朝に目が覚めても布団から起き上がれなくなったりするなど、非常に「うつ病」に近い症状が出てくるとされています。

例えば、医学博士である本間龍介氏は『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい』のなかで、以下のように述べています。

 

 副腎(アドレナル)は「ストレスの腺」と称されていて、私たちの心身に降りかかるストレス、そのすべてに対してあまねく反応しています。

 そんな副腎の機能が低下すればするほど、心身の疲労が強まり、慢性疲労が色濃く現れるのです。そして、重篤な副腎疲労になると、いよいよベッドから出られなくなったり、イライラや不安感がつのる、気がふさぐなど、うつ病にきわめてよく似た症状を呈するのです。

 副腎の疲労度は、ストレスの大きさによって左右されます。たとえば、愛する人の死や、深刻な病気やケガ、暴力、いじめなど、こうした不幸な出来事は、副腎に非常に大きなダメージを与えます。

 それだけではなく、仕事への不満、プレッシャー、職場の人間関係、長時間労働、家族との口論、育児、介護、睡眠不足、運動不足など、日常に潜むストレスの数々も、多かれ少なかれ副腎に負担をかけます。

 つまり、こうしたストレスの積み重ねが副腎に疲労を蓄積させて、これといった原因のわからないだるさや疲れ、さらには心身のさまざまな不調を呼び込んでしまうのです。

『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい 9割の医者が知らないストレス社会の新病』本間良子 監修 本間龍介 著 p3~4

 

また、高度情報化によってもたらされたストレス社会においては、誰しもが副腎疲労に陥る可能性があり、特に生真面目なタイプや頑張り屋さんのタイプの方は、要注意だと言います。

 

 高度情報化社会と言われ、めまぐるしく変化する世の中にあって、十分な休息やリラックスタイムを持てない人も多いでしょう。さらには、ストレスフル社会とも呼ばれる昨今、年齢や性別を問わず、誰しもが副腎疲労に陥る可能性は大いにありうるのです。

 また、性格的には、真面目な人、頑張り屋、完璧主義者、感情をあらわにできないタイプの人などは要注意。そういう意味でも、日本人は副腎疲労を招きやすいタイプと言えるでしょう。

『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい 9割の医者が知らないストレス社会の新病』本間良子 監修 本間龍介 著 p4~5

 

「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい

慢性炎症とうつの関係とは?

もし長期的なストレスによって副腎が疲労してしまうと、炎症を抑える働きがあるコルチゾールが分泌されなくなるため、体内では慢性的な炎症が起きてしまうと考えられます。

 

 コルチゾールには細胞をストレスから守り、元気にする働きがあります。免疫機能や血圧、血糖値の調整、水分やエネルギーの代謝に、塩分のコントロール、脂肪の分解、アレルギー症状を抑える抗炎症作用など非常に多くの役割を担っているため、コルチゾールの分泌量に異常が生じると、身体のありとあらゆる部分に不調をきたすのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p34~35)

 

そして、コルチゾールの不足と関係している「慢性炎症」が実は、「うつ」を引き起こす原因になっていると指摘するのは、精神科医の最上悠氏です。

最上悠氏の著作である『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』によれば、心理ストレスが与えられると、炎症を起こせと命令する炎症伝令物質が増加し、炎症を促進するのだといいます。しかし、そのブレーキ役として、ストレスホルモンや迷走神経が炎症を抑えようとするのですが、「それでも抑えきれないとき、ジリジリダラダラとした慢性炎症が起こる」のだそうです。

 

 慢性炎症は、ほとんどの場合、痛みなどを感じることがなく、外から見てわかるような症状もあまりありません。

 しかし、専門家が顕微鏡で体の組織をていねいに見たり、特殊な血液検査を行ったりしていくと、かすかな炎症反応が確認されます。とくに、脳で起こるものは〝ミクロの慢性炎症〟とよばれ、かなり精密な検査を行っても発見しにくいといわれています。

 そして、そのぐらい微弱なものだとしても、炎症がジリジリダラダラと続けば脳や体は確実に疲弊し、蝕まれます。洞窟にしたたる水滴が長い歳月をかけて硬い岩に穴を開けていくように、慢性炎症の蓄積は心身にさまざまなダメージをもたらすのです。

 

 脳の慢性炎症は、心理ストレスがあるときに起こりやすいことがわかっています。(最上悠『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』p57

 

「脳の炎症」を防げばうつは治せる

分かりやすくいえば、慢性的な心理ストレスが原因で炎症が長引いてしまうと、炎症の火消し役のストレスホルモンや迷走神経の働きが鈍くなってしまうということです。

先ほどの副腎疲労の問題と照らし合わせると、慢性炎症が先か、副腎疲労が先か、ということになってきますが、むしろそのことよりも、心理ストレスが原因で、副腎疲労や慢性炎症が起こってしまうことが問題であるように思います。

 

慢性的なストレス

  ↓

腸内細菌のバランスの乱れ

  ↓

細菌などの異物の侵入

  ↓

体内の慢性炎症

  ↓

副腎のコルチゾールの分泌量の増加

  ↓

副腎疲労症候群

 

慢性炎症を改善するには?

それではまず、慢性炎症を改善するにはどうすれば良いのでしょうか?

最上悠氏は『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』のなかで、

 

  1. 「脳や体で起きている慢性炎症を抑える」
  2. 「慢性炎症の原因となる心理ストレスを減らす」

 

ことが大切だとしています。

また、「慢性炎症を改善するための、〝抗炎症のライフスタイル〟」として、「食事」と「運動」というふたつの切り口を挙げています。

「食事」に関しては、ビタミンCやビタミンEを中心にビタミン類をバランスよく摂ることや、ファイトケミカルポリフェノールなど、抗酸化作用がある栄養成分が多く含まれた野菜類を多めに摂ることが炎症を防ぐことにつながっていきます。

さらに、脂質に関しては、必須脂肪酸のうちのオメガ3脂肪酸には炎症を抑える効果があるとされていますので、日頃からオメガ3脂肪酸が多く含まれている食材を摂るようにすることも慢性的な炎症対策には大切になってきます。

「運動」に関しては、一般的に1日に30分程度、軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行うことは、炎症を抑えるのに効果的だとされています。よく運動はストレス解消に最適だといわれますが、ストレスがなくなるということは、からだで起こっている慢性的な炎症が抑えられるということでもあるのです。

副腎疲労を解消するには?

また、「副腎疲労」を解消する方法についても、基本的には慢性炎症を抑えるためのライフスタイルとほぼ同じですが、本間龍介氏は『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい』のなかで、食品添加物やアルコール、カフェイン、トランス脂肪酸などの摂り過ぎに気をつけるよう注意を促しています。

さらに

 

 副腎疲労の治療には順番も大事で、腸からスタートして、肝臓、内分泌系・・・・・・と順番に行うのが基本です。

 腸から始めるのは、腸には異物が入ってくる入口であり、ストレスの入り口とも捉えられるからです。また、腸は炎症も起きやすく、副腎疲労とも深く関わってきます。

『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい』 本間龍介 著 p71~72

 

と述べ、プロバイオティクスによる腸内環境の改善の有効性についても触れています。

 

以上、ここまで「うつと副腎疲労、慢性炎症の関係」について書いてきましたが、うつの症状を少しでも改善していくためには、体内で慢性炎症が起こらないよう、副腎をケアすると共に、副腎がコルチゾールを分泌しなくて済むよう、ストレス対策を行うことが重要だと思われます。

そして、そのストレス対策として有効なのは、腸内環境の改善だと思われます。また、食事以外では有酸素運動や呼吸法・瞑想法などもストレス対策として効果を発揮してくれると思われます。

 

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ストレスによる副腎疲労症候群と慢性炎症の関係とは?

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回は「ストレスによる副腎疲労症候群と慢性炎症の関係」について書いていきたいと思います。

 

前回の記事では「慢性炎症」について述べましたが、体や脳で起こる「慢性炎症」とは、異物によって体内で起こる火事のようなものであり、何となくイライラしたり、調子が悪かったり、元気が出なかったりすることと関係しています。また、心理的ストレスが関係してくるうつやアトピーなどの原因にもなっていると思われます。

 

そしてこの「慢性炎症」に関係が深いのは、「副腎疲労症候群」だと考えられます。

 

この「副腎疲労症候群」とはどういったものでしょうか? 「副腎疲労症候群」になると、うつ病のような症状になるとされていますが、この「副腎疲労症候群」については、藤森徹也氏が『副腎疲労症候群』のなかで簡潔に説明していますので、引用してみたいと思います。

 

 副腎疲労症候群は、文字通り副腎が疲れてしまう病気です。副腎とは、左右の腎臓の上部に覆いかぶさるようにある臓器で、多種のホルモンを分泌する内分泌器官です。副腎からは生命の維持にとって極めて重要な数々のホルモンが分泌されているため、副腎が正常に機能するか否かは、生命そのものに関わります。慢性的な疲労に悩み、病院の検査では異常なしと診断され、うつ病の治療をしても症状が改善しないという場合、数々のホルモンのなかでも特に注目したいのは、「コルチゾール」という副腎皮質ホルモンです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p17

 

 

また副腎が分泌するストレスホルモンである「コルチゾール」については以下のように述べています。

 

 コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、身体にストレスがかかると分泌されるホルモンです。ストレスへの耐久力や回復力を増加させ、主に体調を保つ役割を担っています。このコルチゾールが適量分泌されることで、私たちの身体は日々のストレスから守られているのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p17)

 

 コルチゾールには細胞をストレスから守り、元気にする働きがあります。免疫機能や血圧、血糖値の調整、水分やエネルギーの代謝に、塩分のコントロール、脂肪の分解、アレルギー症状を抑える抗炎症作用など非常に多くの役割を担っているため、コルチゾールの分泌量に異常が生じると、身体のありとあらゆる部分に不調をきたすのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p34~35)

 

副腎疲労症候群

 

副腎が疲労すると慢性炎症が続く

藤森氏が「アレルギー症状を抑える抗炎症作用など非常に多くの役割を担っているため、コルチゾールの分泌量に異常が生じると、身体のありとあらゆる部分に不調をきたす」と述べているように、コルチゾールなどのホルモンを分泌する副腎が、長期的なストレスによって疲れてしまうと、抗炎症作用のあるコルチゾールがうまく分泌されなくなり、結果的に慢性炎症が起こってくると考えられます。

 

そしてこの慢性炎症はうつ病アトピー性皮膚炎とも関係していると考えられます。そのため、うつやアトピーといった症状を防いだり、改善したりするためには、ストレス対策を行って副腎の疲労を解消することが大切になってきます。

 

慢性的なストレス

  ↓

腸内細菌のバランスの乱れ

  ↓

細菌などの異物の侵入

  ↓

体内の慢性炎症

  ↓

副腎のコルチゾールの分泌量の増加

  ↓

副腎疲労症候群

 

副腎疲労と慢性炎症の対策には腸内細菌と腸内環境

そのストレス対策には、有酸素運動を行ったり、深呼吸をして副交感神経を優位にしたり、よく笑ったりするなど、様々な方法がありますが、それらの方法以外に、腸内細菌のバランスを整えたり、腸内環境を改善したりすることも実は大切です。

体内の慢性炎症は腸内細菌のバランスの乱れや腸内環境の悪化によってもたらされるため、普段から腸管粘膜や腸内細菌のバリア機能を高めることによって、異物が体内に侵入しないようにする必要があるのです。

実際、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌が含まれている「プロバイオティクス」の投与によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が低下したという報告もあります。そのあたりのことに関しては、以下の記事を参照していただきたいと思いますが、副腎疲労と慢性炎症を防ぐためには、ストレス対策として、腸内環境の改善が重要なのです。

 

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 また、副腎疲労や慢性炎症の問題は「キラーストレス」とも関係してきます。

 

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ストレスが原因で起こる慢性炎症とは?

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回は「ストレスが原因で起こる慢性炎症」について書いていきたいと思います。

 

では慢性炎症について述べる前に、そもそも「炎症」とは何でしょうか?

「炎症」とは分かりやすく言えば、何らかのきっかけでカラダに生じたダメージに対する反応のことです。細胞やウイルスが侵入したり、切り傷を負ったりして炎症が起きた体の部位は、腫れや痛み、発熱などが起こりますが、私たちの体内に備わっている免疫システムがすみやかに対応してくれます。

ちなみに風邪による発熱や切り傷、火傷などによって起こる炎症は、一般的に「急性炎症」と呼ばれています。しかしその「急性炎症」とは別に、だらだらと続いてしまう「慢性炎症」があるのです。

 

 慢性炎症は、ほとんどの場合、痛みなどを感じることがなく、外から見てわかるような症状もあまりありません。

 しかし、専門家が顕微鏡で体の組織をていねいに見たり、特殊な血液検査を行ったりしていくと、かすかな炎症反応が確認されます。とくに、脳で起こるものは〝ミクロの慢性炎症〟とよばれ、かなり精密な検査を行っても発見しにくいといわれています。

 そして、そのぐらい微弱なものだとしても、炎症がジリジリダラダラと続けば脳や体は確実に疲弊し、蝕まれます。洞窟にしたたる水滴が長い歳月をかけて硬い岩に穴を開けていくように、慢性炎症の蓄積は心身にさまざまなダメージをもたらすのです。

 脳の慢性炎症は、心理ストレスがあるときに起こりやすいことがわかっています。(最上悠『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』p57

 

この慢性炎症については、あまり知られていないかもしれませんが、身体だけではなく脳でも起こります。

そして、この慢性炎症は生活習慣病や、ストレスが関係してくるうつやアトピーなどの原因になっていると考えられます。何となくイライラしたり、調子が悪かったり、元気が出なかったりするのも、この慢性炎症が関係していると思われます。

 

 最近の医学は、環境中の「免疫かく乱物質」が私たちの体内に軽い「慢性炎症」を引き起こし、生活習慣病を作り出している、ということを明らかにしています。この慢性炎症は、くすぶり型の軽い炎症で、動脈硬化、肥満、糖尿病などの原因となる「代謝炎症」あるいは「自然炎症」、がんやうつ病を引き起こす炎症、老化に伴って進行する「加齢炎症」などを包括する新しい概念です。(金子義保『炎症は万病の元 生活習慣病の真実、医療の現実』p2

 

金子義保『炎症は万病の元 生活習慣病の真実、医療の現実』

 

またストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌され続けることで、副腎が疲れてしまう「副腎疲労」や「慢性疲労症候群」、対処しないと命に関わる「キラーストレス」なども、慢性炎症が関わっています。

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このことに関して、精神科医の最上悠氏は『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』のなかで、「脳の慢性炎症は、心理ストレスがあるときに起こりやすいことがわかっています」と述べていますが、うつやアトピーの症状と心理ストレスの背景には、この慢性炎症があるのです。

 

「脳の炎症」を防げばうつは治せる

最上悠『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』 永岡書店

 

慢性炎症を防ぐには運動と食事

では、脳と体の慢性炎症を改善するにはどうすれば良いのでしょうか?

最上悠氏は『「脳の炎症」を防げばうつは治せる』のなかで、

  1. 「脳や体で起きている慢性炎症を抑える」
  2. 「慢性炎症の原因となる心理ストレスを減らす」

ことが大切だとしています。

また、「慢性炎症を改善するための、〝抗炎症のライフスタイル〟」として、「運動」と「食事」というふたつの切り口を挙げています。

「運動」に関しては、一般的に1日に30分程度、軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行うことは、炎症を抑えるのに効果的だとされています。よく運動はストレス解消に最適だといわれますが、ストレスがなくなるということは、からだで起こっている慢性的な炎症が抑えられるということでもあるのです。

「食事」に関しては、ビタミンCやビタミンEを中心にビタミン類をバランスよく摂ることや、ファイトケミカルポリフェノールなど、抗酸化作用がある栄養成分が多く含まれた野菜類を多めに摂ることが炎症を防ぐことにつながっていきます。

さらに、脂質に関しては、必須脂肪酸のうちのオメガ3脂肪酸には炎症を抑える効果があるとされていますので、日頃からオメガ3脂肪酸が多く含まれている食材を摂るようにすることも慢性的な炎症対策には大切になってきます。

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腸内環境を改善して腸内細菌のバランスを整える

それに加えて、腸内環境を改善することも、ストレスによる炎症を防ぐためには、必要になってきます。なぜならストレスによって腸内細菌のバランスが乱れると、その分、腸内細菌のバリアが弱くなることで細菌などの異物が体内に侵入しやすくなり、炎症が起きやすくなってしまうからです。

そのため、日頃から乳酸菌をはじめとした有用菌が含まれた「プロバイオティクス」と呼ばれた食品や、腸内細菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖などが含まれた「プレバイオティクス」を摂るようにすることで、腸内細菌のバランスを整えることが、ストレスによる炎症を防ぐことにつながります。

 

慢性的なストレス

  ↓

腸内細菌のバランスの乱れ

  ↓

細菌などの異物の侵入

  ↓

体内の慢性炎症

 

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キラーストレスとは何か?

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回は「キラーストレスとは何か?」ということについて書いていきたいと思います。

 

キラーストレス」は、NHKの番組で知られるようになった言葉ですが、キラーストレスとは分かりやすく言えば、様々なストレスが慢性的に続いたり、重なったりすることで多くの病気をもたらし、下手をすれば命の危険にまで及んでしまうストレスのことです。

もちろん、程よいストレスは、自分を成長させたり、免疫系を鍛えたりするために必要ですが、やはりストレスは多すぎると、がんやうつ、認知症など、様々な病気や老化の原因になってしまうのです。

またストレスが続くことは、体内での慢性炎症を引き起こす原因にもなると考えられています。

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キラーストレス

 

(以下はNHKのウェブサイトからの引用です)。

 

●キラーストレスとは

脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。
ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。これがストレス反応です。
一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。

血管が破壊され、脳卒中心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。
最新の研究では ストレス反応は、心臓の筋肉を流れる血液が減少し心不全を引き起こす、がんを悪化させる、体内に入った細菌を増やして血管の破壊を起こすなど、命に関わることがわかってきました。

 

●ストレスが関係する病

ストレスがかかると自律神経の興奮やストレスホルモンが過剰な状態に陥り、さまざまな病気を引き起こしたり悪化させたりします。

 

www.nhk.or.jp

キラーストレスへの対策とは?

このように、キラーストレスは様々な病気を引き起こす原因になるのですが、そのストレス対策として、番組では「マインドフルネス瞑想」や「コーピング」を紹介していました。

目に見えない「ストレス」に対しては、それぞれがどのように向き合っていくのかが大切であるように感じます。

なぜなら「ストレス」に対する感じ方は、人それぞれ違ってくるからです。特定の出来事に対して、楽観的に捉えることが出来る人もいれば、悲観的に考えてしまう人もいます。例えば、上司に叱られた時、そのお叱りが自分を成長させてくれると捉えることも出来れば、単に自分を否定されたと思うことも出来ます。

つまり、「ストレス」とされるものをどう捉えるかは、その人の「心」の持ち方次第なのです。

そしてその「心」は、「脳」だけではなく、幸せホルモンである「セロトニン」の大半を作るという働きなどもある「腸」からも影響を受けています。そのためストレス対策を腸や腸内細菌からアプローチしてみるのは有効だと思われるのです。具体的には腸内細菌のバランスを整えることで、過剰なストレスから身を守ることです。

 

 生物の系統発生から言うと、心臓と肺は魚の呼吸器官である「鰓」に起源を持っているといいます。そして、この鰓は腸から分化したものです。

 進化の系統樹をたどっていくと、私たち人間の直接の祖先にあたる初期の脊椎動物は、口から肛門へと続く一本の消化管、つまり腸だけで成り立っていたことがわかります。この段階ではまだ脳はありません。

 腸から心臓や肺のような内臓臓器が生まれ、腸壁の神経と体壁の神経が束ねられるようにして脳が生まれたと考えられています。

 心臓に心があるというなら、当然、その根源である腸にも心がある、すなわち「腸が心の起源である」ということになってきます。(長沼敬憲『腸脳力』p129

 

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ストレスで腸内細菌が減る理由

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べています。

 

前回は「ストレスを受けた時の生体反応」について述べましたが、今回は「ストレスで腸内細菌が減る理由」について書きたいと思います。

 

私たちのからだは「ストレス」を感じると、副腎皮質や副腎髄質からコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌され、ストレス反応に対処しようとします。

そしてこれらのホルモンは腸内細菌にも影響を与えると、医学博士の藤田紘一郎氏は述べています。

 

 ストレスを受けたときの生体反応は、緊急の場合とゆっくりの場合に分けられます。緊急時には血糖値を高めるアドレナリンを大量に分泌し、ゆっくりのときは副腎皮質から分泌されるホルモンの一種、コルチゾールの分泌量が増えます。その反応が敏感であるために、別名ストレスホルモンとも呼ばれています。そして、どちらのホルモンも腸内細菌に変化をもたらします。(藤田紘一郎『腸を鍛えればストレスは消える!』p65

 

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また藤田氏は「ストレスを受けるから腸内細菌が減るのか、腸内細菌が減ったからストレスでダメージを受けるのかは、鶏が先か卵が先かのようですが、両方とも事実です。ストレスに対して腸は敏感に反応しますし、腸内細菌が減少すれば、私たちはストレスをはね返すことができないはずです」としています。

 

ちなみに以前の記事でも述べましたが、何らかのストレスを受けると、腸が「カテコラミン」という物質を出し、大腸菌が病原性を高めながら増殖すると言います。

 

 ストレスを発散する、ストレスのもとになるもの(ストレッサー)をなくしたり、そこから離れたりするといった何らかの対処をしない限り、ストレスからの攻撃を受け続けて腸内バランスはガタガタになります。ストレスを受けると、腸が「カテコラミン」という神経伝達物質を放出し、大腸菌がその刺激を受けて、腸の一部で病原性を高めながら増殖することが明らかになっています。大腸菌以外の細菌でも、カテコラミンが病原性を高める作用が認められています。(藤田紘一郎『腸を鍛えればストレスは消える!』p97

 

普段の生活において「ストレス」を感じる際、私たちはどうしても頭でストレスを捉えがちです。しかし脳がストレスを「ストレス」だと認識する以前に、すでに「腸」がストレスを感じとり、そのことで腸内細菌のバランスが変化しているのではないでしょうか?

緊張したりプレッシャーを感じたりすると、人によっては急におなかが痛くなるのはそのことと関係しているように思えます。また、腸内細菌のバランスが悪玉菌優位になってしまうと、便秘やうつ、アトピーといった症状にもつながっていってしまいます。

 

そのため、これからの時代のストレス対策として大切になってくるのは、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を増やすことによって腸内細菌のバランスを整えるのを習慣的に意識することなのです。

 

そしてそのことがストレスから自分を守るための秘訣なのです。

 

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ストレスを受けた時の生体反応とは?

 

当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べています。前回は「そもそもストレスとは何か?」ということについて書きましたが、今回は「ストレスを受けた時の生体反応」について述べていきたいと思います。

 

私たちのからだは「ストレス」を感じると、副腎皮質や副腎髄質からコルチゾールやアドレナリンが分泌され、エネルギーを高めることでストレス反応に対処しようとします。このことはストレスに対する生体の適応現象です。

 

ちなみのこの生体反応は、内分泌系と自律神経系に分かれます。大ざっぱにいえば、突然車が迫ってきて事故に遭いそうな時など、急な危機に遭遇した場合は「アドレナリン」というホルモンが、人間関係などでじわじわとストレスを感じる場合は、ストレスホルモンである「コルチゾール(コルチコイドの一種)」が分泌されてストレスに対処しようとします。

 

また、この二つのホルモンは腸内細菌にも影響を与えるといわれています。

 

ストレス反応の抵抗期の体内の反応

 

内分泌系

 

脳下垂体

 ↓

副腎皮質刺激ホルモン

 ↓

コルチコイド

 ↓

体細胞

 

 

自律神経系

 

自律神経

 ↓

副腎髄質

 ↓

アドレナリン

 ↓

体細胞

 

ストレスとはなんだろう

参考 杉晴夫『ストレスとはなんだろう』 講談社ブルーバックス

 

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ストレスホルモン「コルチゾール

特にアトピーやうつなどの病気を予防していくために大切になってくるのは、ストレスを感じた際に副腎皮質から分泌されるホルモンである「コルチゾール」です。この「コルチゾール」には、ストレスが原因で体内に引き起こされた炎症を抑える働きがあります。つまり、アトピーになった時に処方される外用薬である「ステロイド剤」と同じ働きをしてくれます。

 

この「コルチゾール」が問題なく副腎から分泌されれば、体内の炎症は抑えられるのですが、ストレスが慢性的に続いてしまうと、副腎はコルチゾールを分泌し続けなければならないので、副腎は次第に疲れてきてしまいます。そしてなかなかコルチゾールを作れなくなってきます。このような事態は、近年、「副腎疲労」として問題になっています。

 

そのため、副腎が過剰なコルチゾールを分泌しなくても良いようにストレスから自分を守るかが、対策として大切になってきます。

そしてそのストレスの影響は腸内環境や腸内細菌のバランスによっても左右されるため、これからのストレス対策は腸内環境や腸内細菌に着目することが重要になってくると考えられるのです。

 

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