ストレスで腸内細菌が減る理由
当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べています。
前回は「ストレスを受けた時の生体反応」について述べましたが、今回は「ストレスで腸内細菌が減る理由」について書きたいと思います。
私たちのからだは「ストレス」を感じると、副腎皮質や副腎髄質からコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌され、ストレス反応に対処しようとします。
そしてこれらのホルモンは腸内細菌にも影響を与えると、医学博士の藤田紘一郎氏は述べています。
ストレスを受けたときの生体反応は、緊急の場合とゆっくりの場合に分けられます。緊急時には血糖値を高めるアドレナリンを大量に分泌し、ゆっくりのときは副腎皮質から分泌されるホルモンの一種、コルチゾールの分泌量が増えます。その反応が敏感であるために、別名ストレスホルモンとも呼ばれています。そして、どちらのホルモンも腸内細菌に変化をもたらします。(藤田紘一郎『腸を鍛えればストレスは消える!』p65)
また藤田氏は「ストレスを受けるから腸内細菌が減るのか、腸内細菌が減ったからストレスでダメージを受けるのかは、鶏が先か卵が先かのようですが、両方とも事実です。ストレスに対して腸は敏感に反応しますし、腸内細菌が減少すれば、私たちはストレスをはね返すことができないはずです」としています。
ちなみに以前の記事でも述べましたが、何らかのストレスを受けると、腸が「カテコラミン」という物質を出し、大腸菌が病原性を高めながら増殖すると言います。
ストレスを発散する、ストレスのもとになるもの(ストレッサー)をなくしたり、そこから離れたりするといった何らかの対処をしない限り、ストレスからの攻撃を受け続けて腸内バランスはガタガタになります。ストレスを受けると、腸が「カテコラミン」という神経伝達物質を放出し、大腸菌がその刺激を受けて、腸の一部で病原性を高めながら増殖することが明らかになっています。大腸菌以外の細菌でも、カテコラミンが病原性を高める作用が認められています。(藤田紘一郎『腸を鍛えればストレスは消える!』p97)
普段の生活において「ストレス」を感じる際、私たちはどうしても頭でストレスを捉えがちです。しかし脳がストレスを「ストレス」だと認識する以前に、すでに「腸」がストレスを感じとり、そのことで腸内細菌のバランスが変化しているのではないでしょうか?
緊張したりプレッシャーを感じたりすると、人によっては急におなかが痛くなるのはそのことと関係しているように思えます。また、腸内細菌のバランスが悪玉菌優位になってしまうと、便秘やうつ、アトピーといった症状にもつながっていってしまいます。
そのため、これからの時代のストレス対策として大切になってくるのは、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を増やすことによって腸内細菌のバランスを整えるのを習慣的に意識することなのです。
そしてそのことがストレスから自分を守るための秘訣なのです。