ストレスとリーキーガット症候群(腸もれ)と炎症の関係とは?
当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べていますが、今回はストレスとリーキーガット症候群(腸もれ)と炎症の関係について書いていきたいと思います。
前回の記事ではストレスによって腸内環境が悪化することで問題になってくるのは、腸管のバリア機能が弱まってしまうことであり、もし腸管のバリア機能が低下してしまうと、免疫系を刺激し、炎症を引き起こす原因になってしまうということについて述べました。
今回は最近、「腸もれ」とも言われて問題になってきている「リーキーガット症候群」と炎症の関係についてです。
「リーキーガット症候群」とは、腸管のバリア機能が弱まることで、細菌や未消化のタンパク質など、様々なものが血液中に入りこむ事態のことです。
以前の記事で取り上げた『腸を鍛えればストレスは消える!』の著者である医学博士の藤田紘一郎氏は、『腸内細菌が家出する日』のなかで、多様な腸内細菌の集まりである腸内フローラは、腸管において病原体の侵入を防ぐバリア機能を働かせているとしています。
また、腸管には3つのバリア機能が備わっているといいます。
- 腸内フローラが有害な菌を排除する
- 腸上皮細胞が結びついて壁になる
- 表面の粘液層が抗菌作用を持つ
(藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』 p163)
リーキーガット症候群を防ぐにはストレス対策が大切
必要以上にストレスを感じることによって、もし腸内環境が悪化したり、腸内細菌のバランスが崩れてしまったりすると、この腸管のバリア機能が低下して、細菌や未消化のタンパク質などの異物の体内への侵入を許してしまいます。
腸粘膜バリア機能の破綻は免疫系の制御異常を引き起こして、炎症性腸疾患、食物アレルギー、経粘膜感染症など、さまざまな疾患の発症の原因となります。近年、患者数が増加し続けている潰瘍性大腸炎やクロ―ン病などの炎症性腸疾患も、腸管のバリア機能が原因の一つとして考えられています。
また最近では、「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」も問題になることが多くなってきました。(藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』p163~164)
「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」は、からだのなかで炎症を引き起こすことにつながり、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、膠原病などとも関係してくるとされています。
したがって、余計な異物が体内に入りこまないようにするためには、普段から腸内環境を整える習慣をもつことが大変重要になってくるのです。
そしてそのことが、うつやアトピーにも関係してくる慢性炎症を防ぐためのストレス対策になるのです。