ストレスからテロメアを守る方法とは?
当ブログでは乳酸菌と腸内細菌のストレス対策効果は慢性炎症・うつ・アトピーを改善するのにオススメである理由について述べています。
前回は『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳 NHK出版) を取りあげ、テロメアとストレスの関係について書きましたが、今回はストレスからテロメアを守る方法について書いてみたいと思います。
前回の記事では「ストレスが長く続けば、テロメアは短くなる。長期にわたる心理的に有害な状況からは、できるかぎり抜け出すのが賢明だ」としても、「慢性的なストレスがかならずしもテロメアの損傷にはつながらないことが示されている」ため、テロメアを短くしないために大切なのは、ストレスとどう向き合うかであるということについて述べました。
このことに関してエリザベス・ブラックバーン氏らは『テロメア・エフェクト』のなかで、「高いストレスのかかる出来事を経験すること自体が問題なのではない。そうした出来事が起こりもしないうちから、脅威を感じてしまうことが問題なのだ」としています。
また「ストレスに出会っても、脅威反応をしない人もいる。ストレスをチャレンジ反応で迎え撃つことも可能なのだ」と述べています。ちなみにこの「チャレンジ反応」に関しては、
チャレンジ反応が起きているとき、副腎からは適量のコルチゾールが分泌され、体のエネルギーが増す。だが、ストレス反応が起きているとき、副腎からは適量のコルチゾールが分泌され、体のエネルギーが増す。だが、ストレスを引き起こした出来事が終われば、脳はコルチゾールの分泌をすぐにストップする。これは、運動をしたときに経験するのに似た、強くて健全なストレス反応だ(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p110)
と述べています。
また、
「チャレンジ反応は交感神経の活動を高めるので、かならずしもストレス感を減らしてはくれない。だがこれはポジティブな「落ち着きなさ」であって、あなたをもっとパワフルで集中した状態に押し上げる原動力だ」
「チャレンジ反応はけっして、まやかしの活力剤ではない。「ストレスの原因がこんなにたくさん起こるなんて、本当に幸せだ」という過剰にポジティブな態度ともちがう。それは、たとえ今はつらくても、ストレスを自分の目的に合うように形づくれると理解することだ」
としています。
あえてストレスに立ち向かうことがテロメアを守る
さらに、
ストレスや苦労は避けられない。それは、人生に必須の一部だ。人を愛したり世話したり、ものごとを心配したり危険を冒したりすれば、かならずストレスがともなう。ならば、人生を存分に生きるいっぽうで、自分を細胞を守るために、チャレンジ反応でストレスに対処するしかない。(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p122)
と述べられています。
つまりストレスからテロメアを守るための方法とは、ストレスを脅威と見なして怖気づくのではなく、「人生に必須の一部」で避けられないものや試練として捉え、あえて立ち向かうようにすることなのです。